会社における計画、戦略・戦術とは
仕事をしていると事業計画や行動計画などの言葉を耳にすると思いますので、管理人が学んできたこと、体験してきたことを交えて組み立て方や考え方について紹介します。
前提としましては、会社の大きさや組織の規模によって異なりますし、組み立て方や考え方は無数にありますので、あくまでも一例としてご認識ください。
今回の例では、IT関連の仕事で請負開発と自社パッケージ製品(PKG)を販売している会社と設定し、計画の種類および計画を策定するレイヤーは下図の通りとします。
組み立て方は、経営陣(役員)が経営計画を考え、各事業計画に落とし込みます。
落とし込んだ事業計画に対して、各部署の責任者が戦略・戦術を考え、人員計画を策定します。
事業計画・人員計画が策定されましたら、各部署にて行動計画を立てて実行します。
考え方についての大切なことは経営計画から順に決まっていくということです。つまり、上が決まらないと下も決められないとなります。
稀に下からボトムアップで決める会社もありますが、基本的に会社は株主のもので、中小企業のオーナー社長であれば、オーナー社長の意向をベースとした経営計画からトップダウンで決めていくのが主流です。
その状態で仕事をしても目的意識が欠落し、部署間の連携で意識の差が生じ、個人プレーに依存しやすくなり、会社・組織としての成長が鈍くなります。
また、このような会社では頑張った者負け、やった者負けになりやすく、モチベーションの低下から仕事が「ただこなすだけの作業」になりがちです。
上司からの指示や自分で調べてみて、今勤めている会社がどうなのか確認してみましょう。
各種計画の捉え方について
経営計画の捉え方
一般的には長期経営計画(約10年)、中期経営計画(3〜5年)、短期経営計画(約1年)と3区分で定めており、10年後どういう会社になっていたいのか、そのためには何をすべきか、直近の予算・実績を管理するための計画書です。
事業計画や人員計画、行動計画、戦略・戦術など、全てが詰まった計画書で、経営理念に基づき、社長や役員が会社の未来を描きます。
<例>
・お客様第一主義とし、自社パッケージ製品●●で社会に貢献する。
・売上●●円、純利益●●円で上場を目指す。
・長期、中期、短期での損益計画・投資回収計画が組まれている。
・社長および役員が取締役会や役員会で決定。
事業計画の捉え方
経営計画の下に位置するのが事業計画です。
前述の経営計画で決まった会社の未来に対して、どんな事業で実現するのかを決める計画です。
各事業ごとに目標を設定し、実現に向けた人員計画・行動計画の作成の元とします。
<例>
・ビジネスモデルキャンバスで取り組む内容が明記されている。
・3C分析、SWOT分析、5F分析、STP分析などで事業分析されている。
・収支に関して損益計画・投資回収計画が組まれている。
・各部の部長職が事業戦略会議や事業部会議で決定。
人員計画の捉え方
事業計画で決まった目標を達成するために、人を配置する計画です。
例えば営業部で何名必要なのか、開発部で何名必要なのか、誰をリーダーに体制をどう組むのか等、各事業とのバランスを考え、従業員のリソースを管理することが目的です。
また、リソースを割り振りしたら、各個人の目標を設定します。(評価シート作成)
<例>
・営業一課は請負8:パッケージ販売2の割合、営業二課は請負5:パッケージ販売5の割合とする。
・開発部の一課は課長Aさんを中心に、5名体制とする。
・開発二課のBさんは請負の事業一本で集中してもらう。そのため他の業務はCさんに引き継ぐ。
・各個人の目標設定、評価シート作成。
・部長および課長が部課長会議やマネージャー会議で決定。
また、採用や異動、能力開発などの意味も含まれたりしますが、今回は人の割り振りのみの意味で使用してます。
行動計画の捉え方
人員計画まで決まれば、あとは担当者個人が目標達成に向けて行動計画を作るのみです。
決められた目標に対して、どう動いていくのかを各個人で考えます。
<例>
・2ヶ月で案件化2件の目標に対して、●●業界へアプローチし、10件のアポを目指す。
・▲▲開発の要件定義を2ヶ月で完了させるため、週のMTGを2回とし、各回の決定事項は■■とする。
・課長および従業員がチーム会などで決定。
ただ、無理で終わりにするのではなく、同時にルールの制定について相談しましょう。
ルールの制定についてはこちらの記事を参照ください。
戦略・戦術について
前提としまして、仕事における戦略・戦術は人や内容によって定義が異なりますので、一つの参考例として捉えていただければと思います。
これまで実際に取り組んできた中で、管理人が一番しっくりきた例をご紹介します。
戦略と戦術を5W3Hで設定する方法です。下図は事業計画における戦略・戦術の例です。
こちらの戦略・戦術の考え方は事業計画だけでなく、特定のクライアントにアプローチする際の行動計画にも流用できます。
このように特定のクライアント向けの戦略・戦術の策定が可能となります。
また、クライアント単位だけではなく、自社の商品単位でも策定することが出来ます。
まとめ
- 会社や組織の計画はトップから始まって従業員まで順番に作成するもの。
- 戦略・戦術は5W3Hで考えると理解しやすい。
- 戦略・戦術は一つだけではなく、各計画やクライアント・商品ごとに立案することが出来る。
今回は会社・組織としての計画や戦略・戦術の組み立て方や考え方について紹介しました。
また、従業員目線での捉え方も大事なため、副題としております。
副業や転職についてのお役立ち情報も書いてますので、こちらも見ていってください。